モルドバという国をご存じですか?

東ヨーロッパに位置し、西はルーマニア、北・東・南はウクライナに囲まれた内陸国です。

日本ではまだ知名度は高くありませんが、
実はこの国、古くからブドウ栽培とワイン造りが行われてきた、歴史あるワイン生産国

近年、日本のソムリエ/ワインエキスパート試験の出題範囲にも
モルドバワインが含まれるようになり

ワインを学ぶ人たちの間で、少しずつ注目が集まっています。

まだあまり知られていないモルドバワイン。
けれど、その魅力を知ると、一度試してみたくなるかもしれません✨

今回は、私が暮らしていた
モルドバの隣国・ウクライナの日本人コミュニティでも人気だった
モルドバのワイナリー3選と、日本で購入できるおすすめワイン&ショップサイトをご紹介します。

モルドバってどんな国?

モルドバ共和国は、1991年にソビエト連邦から独立した東ヨーロッパの国です。

肥沃な土壌に恵まれた農業国で、国土の約4%がブドウ畑

ブドウ栽培やワイン生産は、国を支える主要産業のひとつとなっています。

基本データ

  • 首都:キシナウ
  • 面積:33,843平方キロメートル
    (九州よりやや小さい面積)
  • 人口:259.7万人
    (2021年:モルドバ国家統計局)
  • 民族構成
     モルドバ(ルーマニア系)人(75.1%)、ウクライナ人(6.6%)、ロシア人(4.1%)、ガガウス(トルコ系)人(4.6%)など
    (2014年:モルドバ国勢調査)
  • 公用語:ルーマニア語
    (ロシア語も一般に通用します)
  • 宗教:キリスト教正教

モルドバワインの特徴

伝統と歴史

モルドバが位置するこの地域では、
約5,000年前からワイン造りが行われていたことが、遺跡や出土品から分かっています。

またモルドバは、フランスのボルドーやブルゴーニュと同じ北緯46〜48度に位置し、ブドウ栽培に適した気候・地形・土壌条件がそろった土地。

こうした自然条件のもと、ワイン文化は古代から発展してきました。

北緯46〜48度に位置し、ブドウ栽培に適した気候と土壌を持つ土地

多様な品種と味わい

モルドバでは、土着品種と国際品種の両方が幅広く栽培されており、その多様性がワインの味わいにも表れています。

代表的な土着品種には、以下の2種があります。

  • フェテアスカ(Fetească)
    (白ワイン用・赤ワイン用の複数の系統)
  • ララ・ネアグラ(Rară Neagră)
    (主に赤ワイン)

やさしい果実味と穏やかな酸味があり、さまざまな料理と合わせやすいとされています。

一方で、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種も多く栽培され、伝統と現代性が共存するワイン造りが行われています。

モルドバのブドウ畑で育つ黒ブドウ。ワイン造りを支える肥沃な土壌と自然環境

品質と価格

モルドバワインは、品質の高さが国内外で評価されている一方で、
手頃な価格帯で楽しめる点も大きな魅力です。

2千円台から1万円以下で、ワイナリーの代表作が楽しめます✨!

ワイン観光

ワイナリーでは、ワイン造りのプロセスを学べるツアーや、地下セラーの見学、試飲、食事付きのプログラムが充実。

ワイナリーでワインをグラスに注ぐ様子。モルドバのワイナリーで楽しむテイスティングのひととき

近年では、リゾートテイストの宿泊施設を併設したワイナリーもあり、ワイン愛好家や観光客にとって人気のスポットとなっています。

有名ワイナリー3選

シャトー・プルカリ(CHATEAU PURCARI)

黒海に近いモルドバ南東部の田園地帯に位置するシャトー・プルカリは、
モルドバで最も古いワイナリーのひとつとして知られています。

この地域の土壌や気候がフランス・ボルドー地方と似ていることに着目したフランス人入植者たちが、修道院と協力してボルドー品種の栽培に成功。

ワイナリーとしての正式な創設は、ロシア帝国に認められた1827年に遡り、約200年にわたる歴史を誇ります。
世界的な評価を受けるきっかけとなったのが、1878年のパリ万国博覧会

ブラインドテイスティングによる品評会で、赤ワイン「ネグル・デ・プルカリ」が金賞を受賞し、その後イギリス王室でも振る舞われるなど、国際的に高い評価を獲得しました。

2003年に植えられたブドウ畑が成熟期を迎えたことで、ブドウの品質はさらに向上。
現在も国内外で高い評価を受けるワイナリーとして注目されています。

おすすめワイン&購入サイトURL

2011年に独立20周年を迎えたモルドバ、ウクライナ、ジョージアが3か国の土着品種を使って、自由の意思を込めて造った記念ワイン

1878年パリ万博でのブラインドテイスティングで金賞受賞したプルカリの代表作!

クリコヴァ(Cricova)

首都キシナウから北へ約15kmに位置するクリコバ村にある、モルドバを代表するワイナリーのひとつです。

世界最大規模の地下ワインセラーを有することでも知られ、
地上から深さ60〜80m、全長約120kmにも及ぶ巨大な地下トンネルが広がっています。
天然の石灰石でできた地下空間は、温度・湿度が年間を通して安定しており、
ワインの熟成にとって理想的な環境が保たれています。

年間の生産・輸出量は約450〜500万本
さらに、施設内では常時1,600万本ものワインが瓶内熟成中という圧巻のスケール…!

クリコバは、モルドバで初めてシャンパン製法によるスパークリングワイン造りを開始したワイナリーとしても知られています。

世界的にも珍しいカベルネ・ソーヴィニヨン100%の赤のスパークリングワインもあり、現在ではスパークリングワインの国内シェア1位を誇ります。

また、国営企業であることから、モルドバの土着品種の保護や発展にも積極的に取り組んでいます。

おすすめワイン&購入サイトURL

カベルネ・ソーヴィニョン100%の珍しい赤スパークリングワイン。デザートワインとしても楽しめます✨

モルドバ土着種100%で作られた、2,500円以下のお手頃ワイン(2025年12月時点)

シャトー・バルテリー(Chateau Vartely)

モルドバ・オルヘイ地区の風景。首都キシナウから北へ約50kmに位置するシャトー・バルテリー周辺の自然

シャトー・バルテリーは、首都キシナウから北へ約50km、オルヘイ地区に位置するワイナリーです。

19世紀末に建てられた歴史ある醸造所を基盤とし、ブドウ栽培に理想的な気候と土壌条件がそろった、美しい自然に囲まれた環境でワイン造りが行われています。

伝統的なモルドバの土着品種を大切にしながら、モダンな醸造技術も積極的に取り入れ、
多様なスタイルと味わいのワインを生み出しているのが特徴です。

創業は2004年と比較的新しい民間ワイナリーですが、その品質は高く評価されており、
世界のワインメーカー上位1,000社に選出されたほか、
2023年にはモルドバ国内最優秀ワイナリーとして最高賞を受賞

国際的なワインコンテストでも、120を超える受賞歴を誇ります。

また、静かな景観と豊かな緑に包まれた敷地内には、ホテルとして利用できる3つのヴィラが併設されており、ワインとともに、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

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どちらもすっきり辛口で食事にも合います♪お値段は2,000円台前半(2025年12月時点)

さいごに

ワインを楽しむひととき。

ウクライナでは、日本からの出張者向けに、
お酒コーナーで今回ご紹介したようなモルドバやジョージア(旧グルジア)のワインを選んだり、
レストランでのオーダーをお手伝いしたりする機会が多くありました。

在任中の3年間で、何度ご案内したか数えきれないほど!

そして、先日、東京・京橋の明治屋さんを訪れた際、
ワイン売り場でふと目に入った「モルドバワイン」の文字…

正直、日本の店舗で目にすることはないと思っていたので、思わず駆け寄り、
「広まり始めたんだなぁ」と、うれしい気持ちになりました^^

クリスマス、年末年始、バレンタインと、人と集う機会が増える冬の季節。

ご自宅でのディナーやおもてなしに、いつもと違う国のワインを楽しんでみるのはいかがでしょうか^^

以上、日本で少しずつ知名度が高まっている、モルドバワインのご紹介でした✨